労務問題についての勉強会

４月１７日（火）社会保険労務士 中尾文彦氏を招き、15名の参加の中、東産業会館にてセミナーが開催された。テーマは「経営者が抱える労務リスク」ということで主に未払い残業代請求の問題について約１時間３０分講演いただいた。消費者金融への過払い金返還請求から未払い残業代請求へ弁護士や司法書士のビジネスが移行しており、企業にとっては経営を揺るがす大きな問題となっている。労働者が希望する以上の額（粗さがしをしてくるため額が予想以上になる）を請求されることになるため適正な時間外労働の管理が必要とのこと。厚生労働省の対応も厳しくなっており昔は大丈夫だったようなことが今は通用しなくなっている。
時間外労働の管理を全くしていないと、時間外労働が非効率的になりがちになりダラダラ残業が増え、適切な管理ができていれば100の生産に対し100の対価を支払えば済むところ、50（効率が落ちることによるもの）の生産に対し125（2割5分増）の対価を支払わないといけないことにもなりかねず経営が成り立たない。
労働時間を１分単位で管理することが、仕事のプロセスの見える化を図り、原価を知る方法ともなり生産性の向上へもつながることになる。毎日の仕事の記録をつけそこからムダを見つけ出し仕事の濃度を高めスリム化を図る。必然的に時間外労働も減ることになりコストダウンにつながる。自社の仕事を見直し効率化を図るようにしていかないと今の時代生き残っていけないのではとの講師の提言であった。
未払い残業代問題はどの会社にも起こりうることであり、事が起こってからでは間に合わないので事が起こる前に是非対策を講じる努力をしていただきたいとのことであった。